株価下落が終わる3条件


 今回は経済評論家、山崎元さんの書かれた「株価下落が終わる3条件」をご紹介します。

株価の下落が終わる条件のひとつめは、「物価の上昇が目に見えて終わったとき」です。
山崎はじめさんはこのように述べています。
「物価の上昇が急激に止まる――。そうなれば、FRBにとっては「成果」なので、金融引き締めの加減を検討する契機になり得る。
中間選挙を控えるバイデン政権にとっても、手柄をあげたいFRBにとっても、株価への影響が気になる投資家にとっても、物価統計の動向は気になるものとなりそうだ。」つまり山崎さんは、「物価の上昇、つまり高いインフレが収まればFRBは金融引き締めに消極的になるため、株価は上昇する」と言ってるわけですね。
高いインフレを退治するためには積極的な利上げが必要になり、その代償として景気を壊してしまうリスクがありますが、インフレも抑えられたし景気も持ち堪えることができれば、これが一番良いシナリオですよね。

今後の注目ポイントとしては、6月の利上げとQT、7月の利上げで、インフレ率ががどう反応するかですね。
インフレ率を分析するための最重要指標、CPIの結果によっては金融引き締めが加速する可能性が残されてますから、再び株価が大きく下落することも十分にありえます。逆に思ったよりもインフレが沈静化すれば、株価にとってはプラスになります。
CPIは、毎月中旬ごろに発表されます。6月の利上げ後、7月中旬のCPIと、7月の利上げ後、8月中旬のCPIがどうなるかが米国の今後を決めるといっても過言ではないので、特に注目していきたいと思います。

株価の下落が終わる条件の2つめは、「雇用が悪化したとき」です。
山崎はじめさんはこのように述べています。
FRBには「物価の安定」と「雇用の最大化」の二つの目的が与えられている。雇用情勢が明らかに悪化する局面になると、インフレ抑制のための金融引き締めを中止ないし減速する可能性がある。
現在(4月時点)の米国の消費者物価上昇率は8.3%(対前年同月比)、失業率は3.6%だ。失業率はめどとされる4%を下回っていて十分に低いのだが、これが反転して明らかな上昇に転じた場合には、FRBが利上げのペースを落とすことを検討する可能性がある。」です。
つまり山崎さんは、「雇用が悪化すれば、FRBが金融引き締めに消極的になることで、株価が上昇に転じる」と、言ってるわけですね。
直近の失業率は、6/2の雇用統計で発表されましたよね。市場の予想3.5%に%に対し、結果は3.6%でした。若干予想を上回りましたが、
雇用者数も増えており、堅調でした。

これからFRBは、インフレを抑え込みながら、かつ景気も殺さない。いわゆるソフトランディング(軟着陸)を目指すわけですが、
実際のところはロシアのウクライナ侵攻に伴い、原油や小麦、化学肥料の原料など幅広い商品価格が高騰しておりインフレに拍車をかけたり、中国が新型コロナウイルス感染の徹底的な封じ込めを目指した「ゼロコロナ」政策を堅持していることで世界的なサプライチェーン、簡単にいうと物の供給が滞ることでさらに物価高、インフレに拍車をかける恐れがあります。これらはFRBがコントロールできる範疇を超えており、ある程度は運任せになってしまいます。いずれにせよ、今後も毎月1週目の金曜日の雇用統計で発表される「失業率」には特に注目していきたいと思います。

株価の下落が終わる条件の3つめは、「金融システムに不安が生じたとき」です。
山崎はじめさんはこのように述べています。
「金融機関の経営の失敗や資金繰りの悪化、社債市場の急激な状況悪化による企業の破綻などによって突発的に生じる可能性がある。」
「こうした状況が起こった場合、FRBは金融引き締めのペースを落とすだろうし、場合によっては引き締めから緩和に態度を変更する可能性もある。」
「金融機関の破綻が起こる可能性は、経済統計を眺めていても兆しを見つけにくいだろう。だが国債の利回りと共に社債の利回りも上昇しており、資金に窮する企業が出る可能性はゼロではない。その際、金融機関も影響を受ける可能性がある。」です。
つまり山崎さんは、「金融機関や大手の企業が破綻すれば、FRBが金融引き締めに消極的になり、株価が上昇に転じる」と言ってるわけですね。

まとめです。
株価の下落が終わる3条件は、物価の上昇が目に見えて終わったとき、雇用が悪化したとき 、金融システムに不安が生じたときです。
今後とくに注目するべきは毎月中旬発表のCPI、そして毎月1週目の金融日に発表される雇用統計です。
あとですね、加えてですが、7月には第2クォーター、つまり4月〜6月期の企業の決算があります。そこでS&P500やナスダック100の占める割合が高いGAFAMやテスラが決算ミスをすると、株価が大きく下落する可能性が高いので要チェックです。

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